令和時代の「結婚観・夫婦観」を考える<音声配信あり>
今日は、連休明けで私も少しお休みをいただいておりましたから、完全にコラムです。コラムのタイトルは、「令和時代の結婚観・夫婦観を考える」というものです。これは最近の面談を通じて私がよく考えるもので、独身女性からの相談では「結婚観」という話になったり、45歳以降50歳くらいの男性からも、「夫婦観」という話になったりすることが頻繁にあって、それについて考えることをお話ししてみたいと思います。
あと、最近話題になっているドラマで「Tシャツが乾くまで」というものがあり、時間があったので拝聴させていただきましたが、今日のタイトル「令和時代の結婚観・夫婦観」が非常によく表現されていたと感じました。そこから着想を得ているというのもあります。
今日のお話はコラムですが、私たち保険FP(これは生活アドバイザーでもある)がライフプランをアドバイスするとして大事な視点をお伝えできればと思います。全体として雑談ですがお許しください。明日は実務記事で、「指定代理請求人が介護保険金を受け取ったときの課税はどうなるか」というお話をしています。
今回は有料会員の方・無料会員の方、皆様がお読みいただけます。以下サイトでは音声でお聞きになれます。
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では本題です。皆様は「Tシャツが乾くまで」というドラマをご覧になられましたでしょうか。このドラマは全10話くらいですが、非常によくできた脚本という印象でした。視聴途中は、ミステリーなのかと思わされたり、よくある不倫ドラマのように見えたりするのですが、終わってみると、「令和時代(つまり今の時代)の夫婦観の変容=『夫婦はこうあるべき』論からの脱却とサードプレイスの大事さ」みたいなことが描かれていたように、私は受け取りました。
私たちの仕事では(法人マーケットの方はまったく違うと思いますが)個人マーケットで活動されている方ですと、「結婚観」とか、「夫婦観」みたいな話になることもあって、今の時代の結婚観・夫婦観って変わってきたと思っていて、私が考えることを少しお話してみたいと思います。
結婚とは、経済合理性だったのだが…
今日のお話はコラムですから、私一個人(N1)の意見であることはご了承ください。
私自身も結婚生活18年くらいですが、改めて思うことは、結婚は「経済合理性の行為」だったということです。確かに「好きで好きでたまらない」が30年も40年も続く方もおられます。これは「思い」としてはとても素敵ですが、客観的事象だけを並べてみると、結婚は「経済合理性の行為」と理解できます。お金がない30歳代前半の男女からすると、単純に「お得」だったわけです。
「お得」というのは、家賃や光熱費、通信費など生活コストが半分になるという単純な思考ではないと思っています。当然に、1人より2人という「規模の経済(=これが家庭)」を作ることで、生活コストが半分になることは経済合理性の1つですが、他にもあります。
1つは、「生産性の向上」です。1人では家庭においても仕事においても手掛ける分野が限定されます(AIとかそういう話は今はなし)。単純に2人になると「役割」というものが出てきて、「得意な分野を、得意な人がやる」という分業が成り立ちます。これは、FP相談をしていても、「お金の相談はすべて妻に任せている」などあるでしょう。お互いの優位を生かして助け合っていくほうが生産性が上がります。これも(ただの合理性かもしれないが)経済合理性だと思います。
もう1つは、「リスクの分散」もあると思います。1人で生きていると、病気や失業、収入の急減はすべて自分に降りかかりますが、夫婦であれば片方が倒れてももう片方が支えられるかもしれません。
つまり、結婚はコストを下げて、リスクを分散し、生産性を向上する取り組みだと考えると、経済的合理性という表現は一理あると考えます。もう少し丁寧に表現すると、「結婚とは愛情で決意し、合理性で納得して継続するもの」だと思います。言い換えると、「経済合理性」がなくなった先には、離婚という決断もあるのかもしれません…。誤解ないようにお伝えしておきますと、「稼得能力」をもって経済合理性と言っているわけではありません。専業主婦の方でも家事などは生産性です。夫婦で協力して家庭の生産性を高めている、そこに合理性があれば夫婦は継続する、という意味です。
ただ、日本の経済状況(インフレ)、女性の社会進出、価値観の多様化などを考えると、令和時代は、「結婚=経済合理性」という考え自体も少し変わってきているのかもしれません。
ライフプラン上の離婚はどう考えるか
私たちFPは、ライフプランを作成してお話することがあるわけですが、都心部共働き世帯における住宅ローンのペアローンしかりで、夫婦における「離婚リスク(ここではあえてリスクという)」は無視できないものになってきていると思います。
客観的なデータから確認しましょう。離婚件数は厚生労働省から公表されている、令和8年6月3日公表「令和7年人口動態統計月報年計(概数)」がわかりやすいです。ここをみると、婚姻件数は、489,119組。他方、離婚件数は、179,068組です。実は離婚件数は年々減少しているのです(これは婚姻件数も減っているため)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai25/dl/gaikyouR7.pdf

詳細にデータをみていくとわかりますが、見逃せないのが同居期間20年以上の夫婦の離婚です。離婚全体が減少傾向にある一方で、同居20年以上の夫婦の離婚は40年前の約2倍に増えて、今や離婚の5件に1件以上が同居20年以上の夫婦となっています。
この背景にあることを考えてみたいわけですが、分業によって生産性を高めることや、生活コストを下げるというのは、子育てと現役時代という「家庭のプロジェクト」がある間は、うまく機能するかもしれません。ただ、夫婦の価値観や楽しみを共有したまま継続していかないと、この家庭のプロジェクトが終わると関係性は確実に変わってきます。あと、結婚した30年前と今とでは、経済環境も大きく変わっていて、今ではデフレからインフレへの転換による生活コストの上昇、共働きの広がりなどを考えても、「分業による効率化」の効果は小さくなっているように思うわけです。
で、今日は何が言いたいかというと(笑)、令和時代の夫婦観というのは、経済合理性がなくなったわけではなく、合理性が変わってきていると思っていて、「分業による効率化」から「共に価値を生み出す関係」へと変わっているのだということ。「経済合理性があるから結婚する、ないから離婚する」という考え方は少し古くて、これからの(令和時代の)結婚観・夫婦観とは、一緒に価値を生み出すパートナーであること、そして「夫婦とはこうあるべきだ(MUST)」からの脱却なのかなと。(これが、先のドラマ「Tシャツ…」では見事に描かれていたと思う)。
で、その1つのヒントが、「サードプレイスの構築」なのかと思います。ファーストプレイス(自宅・家庭)とセカンドプレイス(職場)のみで形成される関係性は、正直、疲れます。「~なければならない(MUST)」が多いと疲れます。私たち募集人は職業柄、様々な方にお会いすることは多いかと思いますが、このバランス感覚というのは非常に重要ですよね。
私自身の経験からしても、外部の募集人の方や保険会社の方(まったく、担当ソリシタでもない方々:なぜ知り合いになったかいまだに不明)など、あまり利害関係のない関係性の方とお話することは、リラックスできるし、次なる目標・やりがい発見につながることがよくあります。こういうサードプレイス的な居場所は今後大事になってくるのだろうなと。。
今日の話も、かなりセンシティブだったかと思いますが、ライフプランの話をしていると、どうしても数字のシミュレーションの話になります。その際に数字だけではなく、「夫婦の娯楽などの楽しみ」とか「夫婦で価値観を共有することの大事さ」とかに触れることができた面談って、いい面談ができたと思うじゃないですか。こいうことを理解すること、ヒアリングできることは大事だと思います。
今日は以上です。明日は、実務で(笑)。「指定代理請求人が介護保険金を受け取ったときの課税はどうなるか」です。
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