令和8年度税制改正大綱の注目点 【第1回】 ~個人所得課税~

先週末、19日(金曜日)に「令和8年度税制改正大綱」が公表されました。今日から3回に分けて、その内容をまとめます。

・第1回:個人所得課税

・第2回:資産課税

・第3回:法人課税

です。FPナレッジは2018年から外部配信をしていますが、私は毎年年末に税制改正大綱を自分で読んで、自分の手でまとめるようにしています(もちろん様々な資料は参考にしていますが)。土日のオンラインアポをする中で、ひたすらにホテルに籠ってまとめています。こんなことをして誰かがほめてくれるわけではありませんし、保険が売れるようになるわけでもありません。ただ、大綱とは方針のようなものですから、「今の日本」を知ることになります。

今出ているのは与党税制改正大綱ですが、政権を与かる党(だから与党という)=自民党は少数与党です。勘違いされている方もいますが、あくまで与党は自民党であり、日本維新の会は与党政権ではありません。このあたりが、今回の税制改正大綱を理解するのに話をややこしくしています。

2023年以前であれば、与党は多数与党であったので税制改正大綱はそのままの内容で決まっていました。大綱はあくまで「方針」ですから法律ではないんです。大綱が公表され年明けに法案化され、国会に提出されます。ここで与党多数ではあればそのまま承認するので、可決・成立し、私たちの生活に適用されています。

ところが、2024年(昨年)与党自民党は少数与党となりました。そのため、昨年示された大綱(方針)から中身が大きく変わって部分がありましたね。それが「年収の壁」です。2024年の大綱では、「所得税の最低課税は123万円」とされていたんですが、年明け(2025年3月成立時点)では、160万円の壁になりましたね…。このように、今は、「税制改正大綱がそのまま決まる」というわけではないんです。

「え、今年は自民党と日本維新の会で、そのまま決まるんじゃないの?」と思われた方もおられるかもしれませんが、違います。2025年も少数与党のため、税制改正大綱の内容は法案ごとに、維新・国民民主などと個別に合意を形成しながら決めていくのです。なので、大部分はこのまま成立する見込みですが、すべてが原案どおりとは限らないという点は押さえておきたいです(なので、テレビでは合意形成の箇所で急に国民民主が出てくるのです)。個人的には「富裕層課税(ミニマム課税)」のあたりは少し修正が入るのではないかと思っています。

今回の税制改正大綱においても、「各党の意見と取り入れながら…」という思惑が見れるのはそのためです。ただ、個人的には、高市首相の前に推し進める実行力・協調力は、さすがだと思います。来年早期に衆議院解散あるかもね(笑)。

なお、毎年まとめていると、この程度の文章はさらさらと書けるものです(笑)。普通に話すこともできますから少しはお客様アドバイスに役立つかもです。では、「令和8年度税制改正大綱の注目点」をどうぞ。今日は、「第1回:個人所得課税」です。目玉改正ともいえる「年収の壁:178万円の壁」もここですね。

今日のシリーズは有料会員さまがお読みいただけます。このシリーズでは執筆・資料作成に大幅な時間を割いているため、音声配信は割愛させていただきます。年末年始に時間があるときに改めてアップします。

以下は有料ナレッジに申し込んだ会員限定のコンテンツです

有料ナレッジ会員になると以下の特典が得られます

  • すべての限定記事が読み放題

  • 最新の金融知識とFP情報にいち早くアクセス

  • 音声配信verの聴き放題

会員登録

会員登録後、有料ナレッジ申込・決済が完了すると、有料ナレッジコンテンツが閲覧可能になります。