【FPナレッジ】 どうして仕事を頑張らないといけないのか<音声配信あり>
今日は、「どうして仕事を頑張らないといけないのか」という、抽象度の高い問いについて考えてみたいと思います。これは以前、私が雑談で少しだけ触れていて、改めて「どうして学ぶ必要があるのか」という問いも合わせて一つコラムとして残しておきたいと思ったので、そのお話です。
すでにお気づきの方もおられるかもしれませんが、私は「FPナレッジ」で5回に1回くらいで「あり方」のコラムを書いていて、自分の思考を整理するのに非常にいいアウトプットの場になっているのですよね。あと、非常に好評というのもあります。
私は教育という立場で仕事もしていて、今日も研修があるわけですが、教育(子育ても同じ)においては、「具体的思考」と「抽象的思考」という2つの視点があると思います。「具体的思考」というのは、昨日のネオファースト生命「ネオdeがんちりょう」の話であったり、アクサ生命「ユニット・リンク保険」は何%で説明するのがいいのかという話であったりする。他方、「抽象的思考」というのは、「なぜ、この仕事をしているのか」「どうして学ぶのか」「なぜ、その商品がいいと思うのか」、そして今日のテーマ「どうして頑張るのか」みたいな、問いというかお話です。
で、今の若者(20代・30代を指す)と色々話す機会をいただくと、驚くほど、この「抽象的思考」ができない。というか考えられていないので、曖昧な回答しか来ない(何を言っているのかよくわからない(笑))。若者全員がそうと言いたいわけではありませんが、多くの若者が「抽象度を上げた質問」をされることに慣れていないんです。これはなぜでしょうか。
私はこの一つは、若者の「本離れ」にあると思っています。本を読むというのは、別に一冊読み切ることを指すわけではありません。本を一冊読み切ったところで、誰かがほめてくれるわけではありませんし、読み終えることを誰かに監視されているわけでもない。私(元編集者)に言わせると、本(小説ではない。ここでは自己啓発などを含む)は、述べたいことはだいたい3つくらいに集約され、それが繰り返し別の表現で述べられていくというものが多い。で、「本を読む」というのは、それを理解し、飲み込み、自分だったらどう考えるか、どう対応するか、未来の自分に置いてどう生かすかという、「抽象度を上げて考える」ことに、大きな意味がある。
全員がそうだとは言わないが、スマホの普及など時代背景もあり、若者の本離れは事実としてあって、結果、今の若者は「抽象度を上げて考える」ことに慣れていないのではないかと考えています。
今日の話は、保険募集人に特化して「どうして仕事を頑張らないといけないのか」という問いについて考えていきます。今回のお話の続きは、有料会員さまがお読みいただけます。有料会員の皆さまは音声で聞くことができます。以下よりお願いします。
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優績者ほど、会社にいるという事実
では、本題です。皆さまは、この「保険募集」のお仕事頑張っていますか?(笑) どうして仕事を頑張らないといけないのかという哲学的な問いをされると、皆さんはなんと答えますでしょうか。優績の方では「頑張る必要などない」という方も多くいらっしゃると思います。私は47歳ですし、その意味(仕事が生活の一部になっている意味であり、流れるように、当たり前に仕事をしているので頑張る必要などないという意味)は理解できますが、若手に対するアドバイスでは、今の若手は、「そうか、頑張る必要などないのか!」と考えて会社に行くこともなく、家にいるみたいなケースもあるのではないかと思います…。
想像ですが複数の代理店で、若手(ここではあまり成績が上がっていない若手を指す)ほど会社におらず、「頑張る必要などない」と言い切る優績が、一番会社に在籍していたりする光景があるのではないか。
仕事の本質は「価値の提供(=他者への貢献)」
私が考えるに、仕事の本質は「価値の提供(=つまり、他者への貢献)」だと思う。これは社内も社外も「他者」です。で、お金(=報酬)というのは、その対価です。ドラッカーの名言にもありますね。「人は貢献によってのみ報酬を得ることができる。単なる努力は賞賛の対象となるにすぎない」というものです。
仕事の基本は、今の自分が持つ、能力・技能、知恵、情報そして、時間を差し出して、便益をもらうこと。つまり、「お金」という目に見える形で、自分の貢献が「お金」になるという意味です。お金には、3つの機能があります。これはFPであれば記憶するほうがいいいですが、「価値の尺度をはかる機能」「価値を交換する機能」「価値を保存する機能」です。仕事(貢献)をして、報酬になるというのは、まさに価値の尺度をはかる機能そのものです。
なので、いい仕事(これは感謝の数が多いという意味)をしていれば、報酬は大きくなるはずですし、そうでなければ(コンプライアンス違反などをしていれば)一時は報酬が大きくても、いずれ報酬は下がるのだろうと考えます。
お金とは、自分の自由を拡張する手段
私たちの仕事をしていると、「お金(報酬)」って大事ですよね。私も、昔「正しい教育に、お金はいらない」と言い切っていた時代がありました。そういう時代を振り返ってみると、確かに無料で(安価で)様々な情報・サービスを提供していましたが、その裏で、様々なものを犠牲にしていたという過去があります。
やはり、「お金」は大事で、なぜ大事かというと、「お金を持つというのは、自分の自由を拡張する手段である」からです。よく「お金があると選択肢が広がる」と言いますが、もっと言語化したいです。お金があるとは、「自由を拡張できる」という意味です。自由の拡張とは、「住む場所を選ぶ」「学ぶ内容を選べる・環境を選べる」「付き合う人を選べる」など、こういうことです。他方、お金がないと、こうした自由は制限される。
もう一つあります。私の大好きな言葉ですが、「人生にはお金より大事なものがある。愛すべき他者、家族、パートナー、会社の仲間。お金より大事なものがあるが、そのあなたが大事と思うものは、結局お金がないと守れない」というもの。
ここまでで何が言いたいかというと、「頑張る」ことは、より多くの報酬を入れる(自由度を増やす)ということなのであって、自分の「生き方」という価値観の話しなのかもしれません。自分の自由のために頑張る人もいれば、そこに価値を見出さない人は、逆に「頑張らない」という自由もあるかもしれないです。
「プロフェッショナル性の保持」のために頑張ったほうがいい
ただ、私は「頑張らないといけない(Mast))」という義務的なものではなく、「頑張ったほうがいい(Better)」とは思っていて、特に若手には頑張ったほうがいいと伝えることが多いです。これは自分自身が成長するとかもあるかもしれませんが、頑張ったほうがいいと思う最大の理由は、「プロフェッショナル性」だと思います。
どういうことかというと、仮に、自分が頑張らなくてもいいと思ったとしても、周りとか社会、他者はどんどん成長していく。そうすると結局置いてかれてしまうので、結果、顧客の期待に応えることができなくなる。つまり、プロフェッショナル性を保てなくなる。この「プロフェッショナル性の保持」のために、頑張ったほうがいいと思うのですね。
大事な学びは、人と接する中にある
同じ性質の問いで、「なぜ、学ぶのか」というものもあります。私たちの業界では、保険会社様の研修、外部研修など、様々な学びのコンテンツがあるわけで、これを行うのが「学び」と思っている方がいるが、私はそうではないと思う。これも当然に学びであり、冒頭に申し上げた「具体的思考」を培うことはできる。本当に大事な学びとは「抽象的思考」に潜んでいて、他者への貢献のために、自分が成長することなのだと考えています。
では、この「本当の学び」はどのようにして磨かれるかです。それは「人」で磨かれるのだと思います。「人は人でのみ、磨かれる」と考えています。だから、私は、常々「若手ほど会社に出社してほしい」と言っています。
もはや自虐ネタでもありますが、「会社に来い」「会社に来い」と言っても若手は会社に来ません(笑)。本当の学び=自己成長のためには、人に接し人で磨かれることで培われると思います。人と会い、人に接し、人に挨拶し、人に感謝を伝えて、人に(自分はそう考えていなくて)嫌な思いを与えてしまい後悔し、人の成長と喜び、人と苦しみ悲しみを共感する。こうしたすべてが学びあり、自己成長になる。であれば、会社行ったほうがいいと思うのよね(笑)
ただ、こうしたあり方の「学び」をしたところで、「売れる」わけではない。これは私たちの業界全員が知りうる事実です。学んだからと言って、売れることに直結するわけではない。「学ぶ」とは、結局募集人としての「格」を上げることに過ぎない。ただ、普段から学び、考えり続けていると、「自分とは桁外れにランクの違うお客様」に出くわしたとき、隠れていた才能が時を経て現れるように、「募集人として格」がモノを言う。
これは私の盟友、hozemi代表の上田 栄彦氏もおっしゃっているが、「募集人として売れるためには、心・技・体を鍛える。心とは「あり方」、技とは、「やり方」、体とは、「性格、器、格」だ」というのも腑に落ちます。
今日は抽象度高かったですが、こういう思考を繰り返すことも大事です。
今日は以上です。
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