【読者からのご質問】 独身男性の積立要望に「変額保険」を提案すると、ペンディングになるのですが…<音声配信あり>

今日は、保険募集人の方からのご質問に回答する回です。その内容は、「独身男性の積立要望に「変額保険」を提案すると、ペンディングになるのですが…」というもの。皆様も、特に共同募集などで活動される方では一度は経験したことがあるはずであろうお悩みというか、相談です。今日は、このお悩みに私なりに真剣にご回答してみたいと思います。

今回の内容は、有料会員・無料会員の方、皆さまがお読みいただけます。また、今日は両者音声で聞くことができます。ぜひ、皆さま、音声でも聞いてみてください。

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では、本題です。今回は募集人の読者の方をHさんとして、このHさんから頂きましたご質問の内容の全文をご紹介したいと思います(一部、修正しております)。

「私は、オンラインでのアポを自らが選択して面談する共同募集アポ(本来はここには、共同募集提携先名が入りますがここでは伏せます)で活動しています。ここで、独身男性アポでは特に要望は『積立をしてお金を増やして行きたい』というものが多いです。今回のお客様では、28歳男性独身で飲食業にお勤めであり、将来10年以内に独立したいのでお金を貯めていきたいという要望でした。この際に、NISAも行いつつ、変額保険(ここではアクサ生命:ユニットリンク保険)を提案したのですが、最初はとんとん拍子でお話は進むのですが、最後、いざ保険となると、一旦保留となってしまいます。こういうケースが最近増えています。この状況はどう考えたらいいでしょうか」

というものです。今日のHさんのお悩みは(海千山千の皆さまでは)自分だったら何とかできると思いがちですが、個人的には「ありがち・やりがち」なものだと感じます。実際、私自身もいまだにHさんと同じように独身男性アポ、積立要望で、「失注・ペンディング」となることがあります。今日は、「私たち保険募集人という立場で」このお悩みにどう対処するか。Hさんはもちろん、Hさんと同じような状況に遭遇したことがある方に向けて、私なりに真剣に回答してみたいと思います。

★失注要因は、「今じゃない」「それじゃない」「あなたじゃない」

今回のお悩みですが、少し時系列に分解してみたいと思います。時系列は、「導入」「途中経過」「結論」に区別し、まず事実を整理しましょう。以下のように整理できるのではないかと思います。

・導入…アポの導入における重要な視点は、お客様の要望です。今回のお客様では「将来、10年後に独立したいので、お金を貯めていきたい」という明確な要望がある

・途中経過…積立要望に対して、その基本的は手法・知識を提供する段階では、お客様の反応も好感触である

・結論…変額保険で積立をするということに対して、保留・ペンディング

です。今回のお悩みで受け止めなければならないことは、変額保険を提案して「保留・ペンディング」したという事実です。これは(言い方は様々ですが)失注に近いペンディングと捉えることができると思います。まずは、失注が起きる原因を客観的に分析します。

私は失注要因というのは基本的に3つだと思っていて、「今じゃない」「それじゃない」「あなたじゃない」で起きます。

「今じゃない」は、単純にタイミングの問題です。例えば、ドル一時払いなどを提案していて、為替に敏感な方に1ドル=158円は、(その方にとっては)今じゃないかもしれない。また、最初はこうしたお金の相談をして、ライフプラン作成しようと思ったが、仕事が忙しくなって「優先順位が下がった」というケースもあるでしょう。こうしたものは、「今じゃない」失注に括られます。

「あなたじゃない」失注というのもあります。これは単純に、担当者(もしくは会社)として選ばれなかったというものです。共同募集などでお話は聞いて、いろいろ参考になったが、自分の懇意の担当者から加入するなどは、これに該当するでしょう。

Hさんのケースは、この「今じゃない」「あなたじゃない」失注ではありません。「それじゃない」失注です。「それじゃない」は、例えば、NISAがいいと思うものに対して変額保険を提案する。これでOKというお客様がいらっしゃるのも事実ではあるが、NISA要望が潜在的に強いお客様では、「それじゃない」失注が起きる可能性は高くなります。今回のHさんのケースでは、お客様の中で、「10年後に向けて積立をする=変額保険で行う」という式が成り立たず、「それじゃない」が起きたものと整理できます。

私が考えるに、独身男性・積立要望アポに変額保険を提案することが悪いとはまったく思いません。いいと思います。ただ、今回のケースのように、「それ(=変額保険)じゃない」が起きたのは、なぜかを考えると、これは仮説ですが、「10年後に独立することも考えて積立したい」という要望を、速効的に「変額保険」の結び付けたことで起きたと考えてもいいかと思います。

つまり、何が言いたいかというと、「10年後までにいくらを目標にして、いくら積立するのか」「そこに到達するのにどういうリスクががるのか(積立継続が困難な状況)」「できることと(CAN)とやりたいこと(WILL)の整理」「10年後の先はどういう未来があるか(独立すると、どういう未来が描けるか)」など、10年後のイメージの解像度を上げていくことに、もっと助走というか、深掘りに長い時間を割くほうがよかったのかもしれないということです。

仮に、それがNISAで行うということになっても、積立継続困難リスクが伝われば、医療保険など、就労不能時のリスクヘッジ提案で受け入れてもらうことができたかもしれません。

今回のお話を聞いて、「そもそも、10年後という比較的短期の需要に『変額保険(ユニットリンク保険)提案』自体が間違っている」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。ただ、私は、これは少し違うと思っています。どういうことかというと、確かに、「10年後の独立資金構築に、変額保険1本足積立をする」というのには確かに反対です。これでは、そもそも10年後の解約前提提案になりますから、コンプラ的にもいかがかと思います。そうではなく、Hさんもそうであったように、NISAも取り入れつつ、変額保険も一部入れてもどうか、という提案をしているわけであり、大事なことは、

・NISAの位置づけ、意味づけ

・変額保険の位置づけ、意味づけ

これをしっかり説明できたかどうかであって、変額保険を提案すること自体悪いことではないと思います。ここには丁寧な説明が必要だと思うので、もう少し書きます。

以前にも書いていることですが、私たちの業界では「保障・補償は保険、投資は証券」で住み分けするほうがいいという意見があります。私はこの意見には、「ある意味賛成で、ある意味反対」という中立という立場です。答えはお客様次第であるわけですから、中立としているというものもありますが、もう1つ理由があって、「保険募集人という立場であるなら、自分の取り扱える商品で、全力提案する」ことの重要性です。

私は、「変額保険は120%全力提案」と思っています(笑)。これはどういうことかというと、投資は「NISAがいいので、NISAでやってください」というのは、ある意味、綺麗かもしれませんが、別の側面からみると、担当者としてお客様の生存時のリスクに対しては「放置・放任する」という意味にも見えるわけで、変額保険を提案することは、「担当者(ここでは保険募集人)として、できる提案は全部する」という覚悟だと思っています。私はその考え方が好きです。

こういう言い方(=できる提案は全部する)というと、色々言われることもあるのですが、そもそも、「変額保険は、不測の事態は当然に、元気で生存した場合のリスクマネジメントを提供している」と思っています。将来のインフレ、そして、今回のHさんのお客様もそうですが、将来の自由と選択肢の拡張手段として「マネジメント」していると思っています。適合性の原則に則り、顧客のリスク許容度、積立額、将来の目標を算出して、しっかり提案することが、「できる提案は全部する」という意味です。

★あなたはそれが、一番いいと思ったか

もう1つ重要は視点があります。これは今回のHさんのケースに限ったことではなく、私たちの提案全般に共通することだと思いますが、自分の提案する商品というのは、ただ、商品だけをみてみると、「アクサ生命:ユニットリンク保険」とか、「マニュライフ生命:こだわり変額保険」、あるいは、「なないろ生命:なないろメディカル礎」といった感じで、「無機質な商品」なのかもしれません。ただ、私は、その商品の背景にある「位置づけ・意味づけ」みたいなもの、これを設計思想といったりしますが、これは

・保障額(なぜこの保障額だったか)

・払込期間(なぜ、その期間か)

・保険料(どうして、その金額だったか)

・支払い方(月払い、年払い、半年払い)

こういうものは、「設計者(=皆さん)」が意志現れると思っています。お客様の意向を汲み取った意志が感じ取れるかどうか。私は、様々な面談の中で、既契約に前担当者の「意思」を感じる提案は、いい提案ですね、とほめるようにしていますが、皆さんもそういう経験ありませんか?

つまり何が言いたいかということですが、Hさんにもお伝えしたいのは、「自分の提案した商品(今回では変額保険)をみて、それは無機質ではなく、自分の(もしくはお客様の)意志を感じたか」ということです。もっとわかりやすい表現をします。

・自分の提案を、自分で「いい提案だ」とほめてあげることができたか

ということです。自分で、「これが一番いい提案だ」と思えていると、これは不思議に決まるものです。もしそうではなかったということであれば、それが今回の失注につながったのかもしれません。何を偉そうに!と思う方もおられるかもしれません。その通りで、私自身もまだまだです。今回は、Hさんを通じて、私も「私自身の自戒として伝えていること」であると思います。

★「考えます!」に返す言葉はあるか

今回のHさんのケースでも、「考えます」という保留・ペンディングになったとあります。で、こうした「考えます」と言われたときにどう切り返すか、これについても私の思うところを書いておきます。

一般的には、「考えます」には2つあると言われています。

・真剣に考える、つまり前向きに検討する、という「考えます」

・一旦、今回の話は遠慮したい、聞いたけど検討に値しなかった、という「考えます」

です。この「考えます」というのは、最終的にお客様が発するわけですが、この「考えます=その面談における終着点」に至るまでに、様々なサインが出ています。つまり前者の「考えます」では、その前段階で、前向きは言葉があったり、検討というサインが出ていたりするものです。これは「前向きな考えます」ですから、1週間後に連絡をするなど比較的容易です。

問題は後者であって、後者の考えますが出た場合、返す言葉はないと思っています。ないというか、これはお互い大人なんで「『考えます』の意味を分かってね」ということでもある。つまり、後者の「考えます」は、結論であって、これに至らないような面談の進め方が重要であって、提案のプロセスからの見直しが大事になると思います。

今日は以上です。Hさん応援しております。これからも頑張っていきましょう。

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