保険面談における『質問』と『説明』の言語化<音声配信あり>

今日は、私が年末年始で考えたことで、「保険面談における『質問』と『説明』の言語化」というお話をしてみましょう。完全にコラムですから、皆さまゆるく聞いていただければと思います。

今日のお話は、特に保険商品の話が出てくるわけではありませんので、皆さまお読みください。以下サイトで音声では聞くことができます。

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では、本題です。私たち募集人は、当たり前ですが昨年も今年も保険面談をするわけですが、この「保険面談」では、セールスプロセスという形で「順序だて」されて、言語・非言語を含めて様々なコミュニケーションをしています。で、私もしかりですが何度も何度も面談を繰り返していると、コミュニケーションを感覚で行ってしまい、経験を積めば積むほど、「感覚で行う」傾向は強くなると感じています。で、コミュニケーション(話す・聞く・書くなどの伝達手段)における様々な手法の中で、今日は「質問」と「説明」について深く掘り下げてみたいと思います。タイトル通り、「質問と説明の言語化」です。

まず、私たちの保険面談のゴールですが、これは保険成約(付随して紹介)と考えます。このゴールにたどり着くために様々なコミュニケーションをしているはずです。今日の「質問」「説明」はコミュニケーションの枠組みですが、こうしたコミュニケーション(質問や説明)をするのは、私たちがあくまで「保険成約」するという、ゴールに向かって行われているという点は整理しておきたいと思います。仲良くなるためではありません。お客様と仲良くなることは大事かもしれませんが、「お客様と仲良くなる」はあくまで手段であって、目的は違うと思います。

私たちは「質問」や「説明」は、お客様に「わかっていただく」ために行っています。何をわかっていただくか。それは、「会社(保険会社)をわかってもらう」「商品をわかってもらう」です。お客さまの考えを知り、あなたの考えをわかってもらうことが大事です。相互理解というやつですね。で、私は、質問は顧客理解のためにあり、説明は顧客の納得を生むためにあると考えています。質問は「その質問をする明確な目的」があり、説明とは、「役割」です。

質問をする明確な目的から整理します。質問において極めて重要だと思うのは、「なぜその質問をするのか」という部分であり、「あなたが何を知りたいかを自分自身で理解するということ」だと思います。「質問力」と言う言葉がありますが、質問がうまい人というのは、「自分が何を知りたいか」をよく理解している人です。私は編集時代に取材をした経験があるのでわかりますが、取材というのは、取材する側が何を知りたいかを明確にしていることが大事であり、これが整理できていないと取材される側も、何を話せばいいかわからないものです。

以前に、「質問コミュニケーションの鬱陶しさ」というコラムを書いたことがあるのですが、質問というのは、相手の本質を射抜くような問いがある一方で、営業と顧客という「立場」を、上下関係に変えようとする「誘導質問」のようなものがあって、後者はあまり好ましくないと思います。

「誘導質問」というのはどういうものか、一例を挙げると、「生命保険の加入率ってどれくらいだと思いますか?」とか、「日本の物価って昨年に比べて、どれくらい上がっていると思いますか?」という類のものです。こうした質問というのは、クイズとか言われたりしますが、個人的には非常にいただけないと思っていて、(素人である)顧客は、「えー、どうでしょう」とか、表面的には乗ってくれるかもしれませんが、心理状態では、「そんなの、わかるわけないでしょ」だと思う。こうした、「専門領域質問」は、営業マンが営業と顧客の上下関係を作るために行われていて、到底わからないことを聞く質問では、わざわざ、顧客に「わかりません」と言わせて、担当者がいかにも「知っています!」と言わんばかりに満足気に回答するみたいなコミュニケーションです。

こうしたものではなく、本当に大事な質問(質を問う)というのは、目的別に大きく3つのジャンルに分かれると思います。

・事実を確認する質問

・考え(価値観)にフォーカスする質問

・判断軸を整理する質問

です。事実と確認する質問というのは、家族構成・年齢・年収・収支状況、資産状況などでしょうし、考え(価値観)というのは、なぜそういう形にしたのかという、背景を聞くもの。また、判断軸というのは、一種の「クロージング」において行われる質問だと思います。一つ一つを掘り下げて書いていくとすごいボリュームになったので、ここでは割愛しますが、大事なことはこうした「質問力はどうすれば磨かれるか」ということだと思います。

私が考えるに、質問力が高いと思う人というのは、「質問の数が少ない」と思います。イメージですが、「聞いて、聞いて、聞いて、そのうえで、仮説のうえ、質問する」という形だからです。何が言いたいかといいますと、お客様の話を聞く中で、一瞬の間で、「事実と仮説を行き来をし、問いを立てる」わけです。こうした質問力の訓練は、やはり自身の面談を振り返ることが大事だと思います。

では、「説明」とは何でしょうか。説明とは設計書やパンフレットを読み上げることではありません。わかりやすく言うと、「自分の知っていることを、お客さまの頭の中で再現してもらうこと」だと思います。ここで言う「再現」とは、商品の内容とか言葉を理解してもらうことではありません。

・なぜその保障が必要なのか

・なぜこの順序なのか

・なぜ他の選択肢では足りないのか

こうした背景や理由まで含めて行うことが説明だと思います。なので、商品説明とかよく言われますが、説明というのは、「正確である」ことは、前提としてそれだけでは足りないと思っています。

どれだけ正しい内容でも、お客さまの頭の中に再現されなければ、それは説明ではなく単なる情報提供に過ぎないと思うからです。

なので、誤解を恐れずに言えば、多少言葉が省略されていても、多少比喩表現になっていたとしても、お客様の中で同じ理解が再現されていれば、それは十分に説明ができている状態だと思います。

で、この説明(上記の定義の説明)において、重要になるのが、先の工程で行われた「質問」であると思います。私がよく言う、

いい面談というのは、提案の質が高いこと

提案の質が高いというのは、ヒアリングの質が高い(顧客のことをよく知っている)ということ

なので、いい面談というのは、ヒアリングの質に直結する

というものです。