【読者からのご質問】「私の稼ぎ」を伝えると、お客様からブロックがかかってしまうのではと不安<音声配信あり>
今日は、保険募集人の方からのご質問に回答する回です。先々週にお送りしたシリーズ「オンライン面談の勘所【第4回 設計書提案編】」にて、私がお伝えした、「これから、〇〇さんと私がお互いに信頼して、公平に意見を交わすためにも、大事なことをお伝えします。それは、私岡田が何でお金を稼いでいるかということです」という文言があったわけですが、この配信を受けて、読者の方から、お悩みが寄せられました。
内容は、「「私の稼ぎ」を伝えると、お客様からブロックがかかってしまうのではと不安」というものです。このお悩みについて、私になりに、真剣に回答してみたいと思います。
今回の内容は、有料会員の方、無料会員の方両者がお読みいただけます。音声配信でもお聞きになれます。
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では、本題です。今回は募集人の読者の方をEさんとして、Eさんから頂きましたご質問の内容の全文をご紹介したいと思います。
「いつもためになるお話をありがとうございます。岡田先生と同じく、いわゆる『共募FP案件』をやっております。保険代理店であることはもちろん伝えておりますが、「設計書提案編」であげていただいた例のように、「保険契約になることが私の稼ぎです」ということを、そこまではっきりと伝えずに始めて、CF表のフィードバックの結果として、保険を見直したほうが、、、という流れも過去ご経験がありますでしょうか。最初に「私の稼ぎは」まではっきり言ってしまうと、その時点(会ったばかりの段階)でブロックがかかってしまうのではと思ってしまうことがあります。CFを作成してある程度関係性ができてからの「提案させてください」はやはりよくないでしょうか。今後とも楽しみにしております。」
というものです。これは「無料FP相談」とか、「無料でライフプランを作成します」などで、銘打った面談(おそらく保険募集人が行う、共同募集面談であることが多い)の弊害でもあるかもしれなくて、Eさんのお悩みの深さが伝わってきます。私なりに真剣にお答えしますね。
まず、前回の配信「オンライン面談の勘所【第4回 設計書提案編】」の内容をお聞きくださっていない方も多いかと思いますので、背景の部分からお伝えさせていただきますね。
私は、(上記では4回目に執筆していますが)基本、お客様との初回面談(つまり、AP面談)で、初回面談の後半箇所で、「今日の面談で、最も大事なことをお伝えさせてください。それは何かというと、これから、〇〇さんと私がお互いに信頼して、公平に意見を交わすためにも、大事なことで、それは、私岡田が何でお金を稼いでいるかということです。・・・」という言い回しで、「私たちが何でお金を稼ぐか」と明確にして進めるという点に触れているのです。
この先、「…」の部分はまだまだ、続きのトークがあるのですが、大事なこととして、「私たちはライフプランをする慈善事業をしているわけではない。あくまで保険のご契約(IFAなどもあるかもですが、今日の話は保険募集人に限定)、その先にある紹介に向かって進んでいるわけですから、そこは間違えてはいけないと思う」という点に触れています。
これを受けて、Eさんのお悩み、「最初に「私の稼ぎは」まではっきり言ってしまうと、その時点(会ったばかりの段階)でブロックがかかってしまうのではと思ってしまうことがある。CFを作成してある程度関係性ができてからの「提案させてください」はやはりよくないでしょうか」というものです。
最初に、私も言葉足らずだったなと反省しておりますが、こうした形で、「私の稼ぎ」という部分を伝える」という話の真意は、どちらかというと、「なぜ無料か、なぜ無料でライフプラン作成ができるのか」という点を明確にするという、1点に尽きるということです。
Eさんのようなお悩みを抱えている方(特に女性のFPの方)では、多くいらっしゃるかもしれません。これは共同募集限定のお悩みかと思っていて、今の例えばネットであれば、「お金のプロである、ファイナンシャルプランナーが、ライフプラン表を作成します!<無料!!>」という形で公開され、集客されていることや、アウトバウンドコールにしても、「お金のプロフェッショナルであるFPが、あなたの将来のライフプランを無料で行うサービスを行っております。…」という形で会員様に伝えて、その結果、(オンラインであろうが、対面であろうが)その面談が形成されていて、お客様には、「本当に無料って大丈夫なんだろうか・・・」という潜在的な不安がある中で、面談がスタートしています。
私は、オンライン面談でお客様と相対しておりますから、そもそも、顧客との関係性が薄く、「少しの不安」で、面談が途切れてしまう可能性があり、ここを明確にしておきたいと思っています。相手とのラポール(信頼関係)形成の1つと思っていただくといいかと思います。
そもそもですが、「無料のFP相談」というのは、「無料ビジネス」という一種であり、世の中には様々に無料ビジネスが存在しています。ネットもそうです。例えばプラットフォームビジネスもそうですし、試供品などサンプリングもそうですし、携帯業界などもあります。で、こうしたビジネスをもっと言語化すると、「無料で、『サービスの入口の価値』を提供し、後工程でマネタイズするモデル全般」ということになるはずです。つまり、必ず「マネタイズ」が存在します。そうでないと、そのサービス提供者(今回でいうと、共同募集先の提携会社、もしくは私たち保険代理店)が、「株式会社」であることに矛盾が生じるからです。株式会社とは営利法人です。一般財団法人、NPO法人、公益法人が提供しているサービスではないはずです。
このあたりは、お客様も「なんとなく」わかっているはずで、でも、「なんで無料かと聞きたくでも聞けない(聞きにくい)」という意識をお持ちだったりします。ここを明確にすることは、(受け止め方によりけりかと思いますが)サービスとして「親切」でもあると思います。
そもそも私は、「お金のプロである、ファイナンシャルプランナー」という表現は、あまりいい表現だと思っていません。どういうことかというと、私(岡田)は、「お金のアドバイスをするプロフェッショナル」ではありません。突き詰めて言うならば、「保険のプロフェッショナル」と思います。なぜかというと、様々な金融周辺のアドバイスは行うが、その中で、結局は「保険の手数料で稼いでいる」からです。私は、プロフェッショナルとは、「どこで稼いでいるか=プロフェッショナル」と思っています。当然に、保険の成約に至るまでに、様々なアドバイスは行っていますが、結局は、保険の手数料で、自分の家族、自分の日々の生活を成り立たせているわけです。であれば「保険のプロ」というほうが、しっくりきます。他方、お金のアドバイスで、相談フィーをいただいているFPもおられます。こうした方では、「お金のアドバイスをするプロフェッショナル(専門家)」と表現しても違和感ないと思います。
大事なことは、『私岡田は、保険のプロフェッショナルなので保険の話しかしない、保険の話しかできない』というのではなく、『私岡田は、保険のプロフェッショナルではあるが、様々な金融関連のアドバイスを行う、お金周りの様々なお悩みを解決する中で、保険の話もできるプロフェッショナルである』という違いなんです。ここには大きな差があり、この違いを理解してもらう(これは、初回面談以降に続く、面談でお客様は、様々にアドバイスを受ける中で理解してくださる)ことが大事なのね。
なので、私が後輩にもよく伝えることですが、一言で言うなら、「保険分野だけではなく、金融全般を勉強しよう」ということなんです。
今回のEさんのお悩みで、初回に「私の稼ぎ(自分のポジションですね)」を伝えることにはハードルがあるという点、すごく理解できます。確かに、お客様にはブロックがかかってしまい、面談も終わってしまうかもしれません。ただ、面談のどのフェーズかと思いますが、どこかで、保険の提案をするのであれば(なぜなら、保険の提案をすることに向かって面談は進めているはずであるから)、最初に伝えてみると、「逆に誠実な方だな」と思われることも多いです。
私は、令和時代というのは、ビジネスにおいてはいい方向に向かっていると思っていて、
・いかに誠実であるか
・なぜやるかの「背景」を大事にしていること
・顧客中心
などがあると思っています。Eさんも、今日のようなお悩みを私に伝えてくださるわけですから、きっと誠実な方だと思います。初回に「なぜ無料か」と伝えるのが難しくても、ある程度顧客関係性ができてからでも問題ないと思います。しっかり、「私のメリット」という部分を真剣に伝えてみてください。きっとお客様から共感されると思います。
今日のお話は、共同募集FPの方限定という形で、イニシャルで活動される方にはあまり関係ないお話だったかと思いますが、何かしら、伝わる部分があるとうれしいです。
今日は以上です。
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