オンライン面談の勘所【第1回:総論編】 <音声配信あり>

今回から、数回(おそらく5回)に分けて、シリーズでお話したいと思います。

内容は、「オンライン面談の勘所」です。私たちの保険面談においては、コロナ以前は、対面での面談が必須とされ、お客様にお会いすることが『常識』であったと思います。それがコロナ禍以降は、「オンライン面談」での面談構成、そして、ご契約まで一気通貫できるように変わり、これは不可逆であると私は考えています。

コロナ禍では、一時オンライン面談を取り入れたという方で、すでにリアル面談に戻ったという方も多くおられると思います。その中で、私も含め現在もオンラインでの面談だけで保険成約までの面談構成を成り立たせている募集人の方がおられます。私自身、コロナ以前はすべての面談を対面で行っておりましたが、コロナ禍でオンライン面談に一気に振り切り、2025年の今もオンラインで保険成約をする面談構成を培ってきました。

そして、1か月くらい前に、読者の方から、以下の「お悩み」が届きました。

「私は保険代理店に所属している募集人です(損保は1社、生保乗合)。損保代理店としてスタートした代理店ですが、現状代理店全体の売り上げは生損保でほぼ半々という状況で今後も生保を伸ばしていきたいという方針です。損保研修生スタートですが、生保もできるようになってほしいと言われており、面談はすべて対面で行っています。しかし、今後はオンラインも活用していきたいと思っています。理由は同世代などの現役世代に対してはオンラインの活用が一つ武器にもなると感じているからです。以前、オンラインで遠方のお客様と面談しましたが、ライフプランのソフトの表示や操作など苦労した経験があります。岡田さんがオンライン面談を重ねていくうちに改善してきたポイントなど教えていただけますと幸いです」

というものです。

私は、自分のことをオンラインがすごいとか思っておりませんし、私よりオンライン面談に優れている方は複数おられます。そのため、私が「オンラインを語る」とは少しどうなのかなと思っておりましたが、今回のご質問者様のように、損保代理店にご勤務の方などには、オンライン面談は貴重な武器になり得ると感じたことと、これまで私なりにPDCAを回し、様々な改善をしてきたので、ここで一度、すべてをアウトプットしてみたくなったというのが、今回のシリーズで執筆をしてみようと思った背景です。

また、コロナ禍から時間が経過し、(他業界では、出社回帰という現象が起きる中で)客観的にオンライン面談という、ただの「面談の手段」を、いかに生産性向上につなげていくかという点を自分でも整理したいと思ったからです。

「オンラインはしないし、今後もやらない」と言う方も当然におられると思います。ただ、今後私たちの業界もどのように変遷していくかわかりませんし、またいつ、これまでの常識が変わる世界になるかもわかりません。日本の生産性人口はどんどん減っていきます。若者世代は、オンライン、生成AIなどは常識という中で、「顧客は誰か」という視点は非常に重要だと思います。

オンラインはしない方でも参考になるように書いてみますので、ぜひ読んでみてください。第1回の今回は、「総論」とし、オンライン面談の全体構成、また、どのように私自身がオンライン面談を考えて作っているか、マインドの部分をお話します。以下のような構成で、考えています。

・オンライン面談の勘所【第1回:総論編】

・オンライン面談の勘所【第2回:アプローチ編】

・オンライン面談の勘所【第3回:ライフプラン編】

・オンライン面談の勘所【第4回:設計書提案編】

・オンライン面談の勘所【第5回:クロージング編】

です(本当は4回で完成させたかったのですが、どうしても総論が必要になりまして…)。では、どうぞ。

保険募集人の方も、保険会社の方も、何か面談のヒントが隠れていることを祈っております。今日のお話は皆さまが、お読み・お聞きいただけます。以下サイトで音声で聞くことができます。

音声配信でお聞きになりたい方はこちら

(再生プレイヤーの右端3点リーダークリックすると倍速で聴けます)

オンラインは特に、若手には『武器』になる

では、オンライン面談の勘所【第1回:総論編】です。

最初にお伝えしたいというか、断っておきたいことがあります。それは、オンラインとはただの「面談の手段」であり、私たちの業界では、オンラインが使いこなせなくても、何ら不自由ないという方のほうが大半だということです。まったく必要ないという方は普通におられます。ただ、私が声を大にして言いたいことは、「若者」です。

私がこの業界に入って18年目に入りましたが、いつも感じていたことですが、保険は先行者優位マーケットであり、先行者が確保したマーケット(保険にすでに加入されている世帯)の奪い合いでしかないということでした。日本で、ド新規がポコポコ沸いてくるわけはなく、誰かが先行して契約した世帯を、如何に、保険の新規を入れていくか、「めくりかえし」のようなものです。こうした中で、(マーケットをもっと若手もいるとは思いますが)マーケットを持たない若者は常に劣勢に立たされます。そして、先行者たち(募集人の諸先輩方)は、長く仕事ができます。諸先輩方は、この業界が長いです。

そんな中で、若手がいかにこの業界で生き抜くか。それは、マーケットを作ることもあるでしょう。販売手法を身に着けることもあるかもしません。ただ、先行者と同じことをしていても、それは先行者のほうが常に『うまい』です。なぜかというと、長年の「渋み」がモノを言うのが「保険」という世界でもあるからです。つまり、若手が、初めて自分たち世代の、自分たちの「武器」がもたらされたと言っても過言ではない。これがオンライン面談だと思います。

ただ、残念ながら、現状のオンラインを真剣に取り組んでいる人は、若者にも少ないように思います。理由は明白です。保険が決まらないからです。決まらないから、オンラインから離れていく、やらないという現象が起きています。

私も、オンライン面談をテーマとする研修を何度か行ったことがありますが、そのうち、半数以上は途中であきらめているというか、リアル面談に戻っている印象です。実際、2025年現在で、オンラインで販売実績を伸ばしている人は、(私の統計では)以下の2パターンに集約されていると感じます。

1つ目、オンライン面談で成功している人は、おそらくリアル面談でも成功していた人であろう人

2つ目、とてつもない「面談量」をこなす人

です。この2つに該当しない人は、今のオンライン面談勢(=オンラインを主体として活動される方々を指す)にて生き残っていません。私自身が様々な部下を教育指導していても、本当にもどかしくなる部分で、結局は、「成功する人が成功しただけの話であり、オンライン云々は関係ない世界」ということです。もし、オンライン面談がこの程度で終わってしまうのであれば、あまりに寂しいです。そうではなく、武器を持たない若手が成功する手段として成り立たせるため、何をどうすればいいのか。オンラインでは、セールスプロセス自体からの見直しが必要です。

セールスプロセスは6回が最適

私たちの世界には、誰かが語ったセールスプロセスというものが存在しています。

AP(OIとも言う)⇒FF⇒P(プレゼン)⇒C(クロージング)⇒N(申し込み)

です。このセールスプロセスを2回で行う方もおりますし、3回、4回の方もおられます。ただ、これをオンライン面談にすると、私は、6回が最適という答えを出しています。私が考えているセールスプロセスは以下です。

【1回目:60分】

AP:アプローチというよりは、面談の進め方説明。また、心理的安全性の構築

【2回目:60分】

LP:ライフプランの略です。オンラインではライフプランからの提案が主軸です。

【3回目:60分(メイン)】

LPFB:ライフプランフィードバックと言います。ここに必ず夫婦同席を促します。ここが単価アップのコツです。あえて、私たちの業界用語で言うなら、ここが「ニード喚起」です。

【4回目:60分】

P:プレゼンです。ここで初めて提案します。

【5回目:60分】

FT:フィティングです。金額調整です。クロージングというとわかりやすいですがあえて、金額調整としています。これは、オンライン勢は、あくまで「調整時間」を好むという傾向から、そうしています。

【6回目:90分~120分】

N:申し込みです。申し込みは、注意喚起情報・重要事項説明などを含み、また、お客様が手続きに慣れていないことも多く、ポリシー数にもよりますが60分では足りません。90分はかかると考えます。

リアル面談の「対面影響力」にいかに近づけるか

この6回というのは、私なりに、何度も何度も試行錯誤して、たどり着いたものです。それは何かというと、オンライン面談とリアル面談は何が異なるとかという「出発点」を何度も思考することでした。これには、いくつか答えがあるのですが、その一つは「単純接触頻度」です。

リアル面談における「対面影響力」は、とてつもない力があります。リアル面談では、この対面影響力が面談回数を下げる大きな効果をもっています。他方、オンラインには、この「対面影響力」が皆無です。これをどうリアル面談のそれ=対面影響力に近づけるかが大きなポイントとなり、私は6回が最適と考えています。また、上記で、LP(ライフプラン)としていますが、これは、初見でオンラインからスタートするときの面談を想定しているものであり、セミナーでの一度の接触がある面談などでは、このフェーズの面談回は割愛できるとも思います。つまり、初見の方では、ライフプラン提案をすることでお互いに接触時間を長く取るという理由もあります。

オンラインは「楽」ではないことを知る!

今回の総論、最後になりますが、私の思いをお伝えさせてください。オンラインをやろうとしている、今取り組んでいるがなかなか成績が上がらないという若手には手厳しい意見かもしれませんが、大事なことです。それは、「なぜ」の部分です。なぜオンラインをやろうとしているかの部分です。私は「お客様の利便性を考えると、オンラインで自宅で聞けるほうがいいじゃん!」と素直に、即答するのですが、若手と話すと、そうではない意見があるような気がします。

それは、「オンラインのほうが楽」「オンラインなら自宅でできる」「オンラインなら移動時間がない」などです。たしかに、こうしたメリットはある。あるのだが、オンラインのほうがリアルに比べて「楽」ということはありません。上記のプロセスのように、より細分化して進めていくイメージになるので項数も増えますし、最初は大変です。ただ、一度自分の「勝ちパターン」を手に入れてしまうと、それは、これからの時代、一生ものになることも事実です。

今回のシリーズでは、「アプローチ(1回目)」「ライフプラン(2回目と3回目)」「設計書提案(4回目)」「クロージング(5回目)」に分けてお話しします。オンライン面談の勘所として、私がどのようにオンライン面談を進めているか、どの点に気を配っているか、どういう「語彙(言葉)」でお客様を動かしているか、何が決め手なのか、設計書はどう見せるのか(送付するのか)、いかにクロージングをするのか、リアル面談だけでは発見できなかった視点がいくつもあると思います。

ぜひ、楽しみにしていてください。明日は、「アプローチ(1回目)」です。