保険募集人特有の「停滞感」について考える<音声配信あり>
今日は、完全にコラムネタですが、この仕事をしていると経験したことがあるかもしれない、「保険募集人の停滞感について考える」というお話しをしてみたいと思います。保険募集人にはどうして停滞感が起きやすいのか、そもそもその正体は何か。そして、そこから抜け出すにはどうすればいいかというお話をしてみたいと思います。
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収入面と停滞感は密接に連動している
では、本題です。私はこの業界で17年目ですが、そのうち10年以上で、マネジメントというか部下育成を担ってきたという経歴があります。その中で、自分だけでなく、様々な募集人の方々をみても感じることですが、多くの方である一時期「停滞感」があって、これをどう克服するかという点が、募集人人生で重要になると思うのですね。
皆さんはいかがでしょうか。中には、「停滞感なんて感じたことはない」という方もおられるかと思いますが、そういう方は際限ないマネーモチベーションがある方であることが多く、一部の方といえるのではないでしょうか。一度は感じたこと、出会ったことがある感覚の、「停滞感」を私なりに言語化することで、少し皆様の活動にヒントになればと思います。
今日の話、「保険募集人特有の停滞感」ですが、私はその「正体」を明らかにすることが大事だと思いますが、それは何かです。
まず、先に私は、「際限ないマネーモチベーションがある方は、こうした停滞感みたいなものは感じにくいかも」というお話に触れていますが、「成果(=お金)が出ていれば、多少の迷いなどは気にならないもの」ではないでしょうか。つまり程度「金銭の裏付け」があると、今日の話なんて関係ない領域に入ると考えます。
FPナレッジをお読みの方は、すべて保険募集人の方・保険関係者の方ですから、わかりやすい表現でいいと思いますが、私たちの仕事をする上で、「お金」という要素は、やはり重要な意味を持ちます。私も「お金じゃない!」という気持ちが全面に出ていた時期もありましたが、こうした時期は何をしてもうまくいきませんでした。本質と向き合っていないからです。お金というのは、活動を進める、気持ちを整理するためにも非常に重要な意味を持ちます。
そのため、停滞感という感情はある程度お金で満たされている方は感じにくいと思いますし、逆にいうと、「お金が稼げていない方」というか、つまり、これは「自分の活動と報酬バランス」がうまく整理できない方が陥る悩みであり、収入面と停滞感は密接に連動していると考えます。
つまり、募集人特有の停滞感とは短期的視点で、「十分な収入を得られていない」「資金的満足感がない」時期に訪れる、経験するものである。これが(私が考える)出発点です。もちろん、今は収入は低いが将来のことを見据えて努力しているかた、全然問題ないという方もいますが、そもそもそういう長期ビジョンが持てている時点で、停滞感というのは訪れません。
「お客様に喜んでもらうこと」をどれだけ意識できるか
そもそも私たちの仕事は、お客さま(相談者)ありきですが、そのお客さまというのは、「自分の鏡」であると思います。これは例えばですが、共同募集などでは、(例えば自分が年収1000万円だとして)この自分の収入領域というものをはるかに上回る方とお会いすることもありますが、基本は自分の収入領域の方がお客様(鏡)になっていることが多いと思いますし、考え方、愛称なども自分に近しい方がお客様(鏡)になっていると思っています。
で、私たちの活動ってお客さまにお会いして、保険の提案(や様々な解決策の提示)をして喜んでもらう。最初は、その「保険を提案して喜んでいただけた」とか、「自分の提案したもので成約いただけた」とか、活動の中に「小さな気づき」みたいなのがあって、そういう感情と出会うことで、自分も喜びを感じる時期(これを成長という)って誰しもあったと思うのですよね。ただ極論ですが、私たちの活動って、これ以上でも以下でもないと思っていて、それが法人マーケットなのか、相続なのか、あるいは、セミナーなのか、自分でマーケット開拓したのかという世界で、ここ(お客様に喜んでもらう)にどれだけ意識できるかだと思うのね。
よく(皆さんも検索とかすると出てくるのでやってほしいですが)停滞感と検索すると、「成長を感じることができない(から停滞する)」とか、「目標設定に納得できない(から停滞する)」とか出てくるのですが、これ、果たして私たち保険募集人の停滞感だろうかと考えてしまったんですよね。どういうことかというと、私がどんなに知識を提供し、ロープレを披露し、録音させてあげて、成長する環境を整えてもやらない人はやらないんです。
停滞感の正体とは・・・
では、今日のタイトル「保険募集人特有の停滞感」ですが、その正体を私なりに、一言で表現したいと思います。
それは、「暇」です。
停滞感を感じるとか、停滞しているとか、そういう話の中で、モチベーションが…とか、上席が見てあげる…とか、目標の設定とか、色々あるかもしれませんが、私から言わせれば「暇なんだね…」という感じというか(笑)。すみません。。でも、この「暇」という言葉ですべて整理されてしまうのです。損保担当の方で、ものすごく忙しい方では停滞感とか無縁だと思います。TOT基準の方でも本当に忙しいわけで、今日の話は無縁。例えば自分の趣味の活動もあってプライベートも充実していて募集している方がおられます。何しているかよくわからないけど、忙しそうにしている方です。こういう方も今日の話は無縁でしょう。全員忙しいというか、その忙しさと向き合うことができているのです。
忙しいとは自分で主体的に取り組んだ副産物
以前、仕事がマンネリ化して保険募集が面白くないとか、いつも同じことの繰り返しで面白くなくなって停滞感が…という意見を聞いたことがありますが、まったく意味不明です。なぜなら仕事はどんな業務でも習慣化であり、基本は同じことの繰り返しだと思うからです。それを自分で創意工夫して、自分で主体的に取り組んでいるから、仕事が「変わってきている」ように映っているだけで、「忙しいとは自分で主体的に取り組んだ副産物」だと思います。
つまり、自分が停滞感していると感じたあなた! 単純に「暇」なだけです。暇は、当然に「お金」は呼び込みません。つまり、停滞感は収入面と密接に連動していると言いましたが、ここにも相当な納得感があります。
自分で気づかないから問題
ここで問題なことが一つあります。それは何かというと、「自分で自分が『今、私停滞しているかも』と思えている時点で、救いがある」ということであり、これをメタ認知というが、それができていると問題はない。ただ停滞感というのは驚くほど、自分で気づけないということです。本来的には「暇」なんでわかるはずですが、自分で暇な自分を認める行為をしないことが大きな問題です。もっと言うと、停滞感というのは、驚くほど他人にバレているものとも思います。私の周りをみていても、他人(私)からすると、「あの子、今、調子よくないんだろうな」とか、「停滞感出ているなー」とか驚くほどわかる。なぜなら停滞感の正体は、「暇」だからです。
では、この停滞感=暇は、どう打開していくのでしょうか。これはネット検索すると「活動すること」とかいろいろ出ていきますが、これも私が一言で言うと、「会社へ行く」です。自分が用があるときだけ会社に行って、用があるときだけソリシタさん呼び出して、用がなくなったら帰るとか、それ、忙しい方がやることね…。まだまだ20代、30代の若手募集人の方で(ちょっと表現悪いかもですが)何様とか思ってしまう。会社に行って、ソリシタさんと情報交換して、掃除して、ごみ捨てして、暇なら会社行ってパンフレット読んで全部手帳に書き出す!いつか将来に出会うお客様に全力で対応できるように努力する。そんなこともせずに「停滞感がある」とか言われても、上席(私)は、「暇なんだね…」という感想しかないということです。
すみません。今日のお話は賛否両論あろうかと思いますが、久しぶりに(岡田持論の)FPナレッジという感じですかね(笑)
これも若手募集人に育ってほしいという気持ちの表れでして、すみません。
今日も頑張っていきましょう!